2010年10月13日水曜日

体に良い食事法 (その1)

なにかしら「体に良い食べ物」があって、そればかり食べていれば健康で長生き・・・・実はそんな上手い話は無いようです。人間の体は複雑精妙にできており、非常に様々な物質を必要とします。また多すぎるのも少なすぎるのも良くないようです。特に多すぎる場合には捨ててしまったり、体内で分子を再構成したりして再利用できる場合もありますが、少なすぎるのはかなり問題です。

このような「人体の事情」を考えると、最も優れた食べ方は「色々なものを少しづつ食べる」という事になるのでしょう。

しかし忙しい現在人はどうしても食事が偏り勝ちであることは否めません。また食品の中にも「良いもの」「悪いもの」がありますし、「多すぎるとだめなもの」「少なすぎてもだめなもの」など等色々あるようです。

そこで普段の自分の食生活を見直してチューニングするというのも有効な手段でしょう。こういう事情を古の中国の賢人達は「医食同源」といい健康で長寿になるためには非常に大切だと考えられてきました。

実際注意深く周囲の人々や他の国々の食生活・食習慣とその国や地域に蔓延している問題や病気などを観察すると、様々なヒントがあることが判ります。

さて私が実践している食生活をいくつか列挙してみましょう。

1.総カロリーを運動量を考えて調整する
2.なるべく色々なお料理を食べる
3.エスニック料理にもどんどん挑戦し、色々な国のお料理を楽しむ
4.お酒はワインを中心にホドホドに。
5.野菜多め、動物脂肪、卵類少なめ、青身魚多め
6.お茶はコーヒー・ウーロン茶・日本茶・紅茶等の中から数種類を一日2杯以上飲む。同じものが続かないようにする。
7.お昼などオニギリやサンドイッチで済ませる場合には野菜ジュースを飲むようにする。
8.繊維質も多めに取る。
9.かならず三食規則正しくとる
10.夜10時過ぎはできるだけ食べない。お腹がすいてしまったら麦茶程度。
11.空腹になるのであまり夜更かしをしない。遅くとも午前1時頃には布団に入る。

と概ねはこんな感じです。しかしこの他にもいくつかのコツがあると思います。このあたりは追々。

(文:窪田敏之)

2010年7月13日火曜日

老化を食い止める物質ラパマインシン

ラパマイシンという薬剤があって、免疫抑制剤として使用されている。
通常はこの薬剤は臓器移植の時に一時的に免疫を抑えるのに使われるものだ。

ところが、この薬剤にはどうも癌細胞の抑制効果があり、さらには個体の寿命を延ばす効果もあるらしい。マウスの実験ではマウスの平均寿命が三割前後、最高寿命が14%伸びた。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ラパマイシン

免疫抑制作用が強いので、健康な人間が無闇に服用するわけには行かないが、免疫・増殖(がん)・寿命といった多細胞生物の根幹に影響を与える薬剤である事が判る。

このような物質の働きを詳しく調べて行くと、生命の秘密に対して深く理解が進むに違いない。

(文:窪田 敏之)

2010年4月20日火曜日

カッコイイ年寄りになるには(その1)

まず外見

1.歯。私は歯科医なので歯は一番気になる所だ。現代の歯科の技術では、一番優れているのはインプラントだ。歯茎の痩せ方が激しい場合にはインプラント固定による義歯が一番美しい。また歯茎が残っている場合はインプラント上にジルコニアによるクラウンブリッジを使用するのが美しく、かつバリバリなんでも噛める。

2. お肌。年齢と共にシミやソバカスのような色素沈着、皺も増えてゆく。まず色素沈着に関してはピーリングや皮膚科によるレーザー照射による除去がある。これはそれほど高価ではない割には効果が高い。皺に関してはビタミンAの補強やコラゲンの補強(小さな注射等で追加する)がある。こちらは美容整形になる。ビタミンは皆重要だが、中でもお肌にはビタミンA、E、Cの3種類が重要だ。ビタミンAは上皮の角化を促進して艶のある強い肌にする。Eは老化防止、Cは色素細胞の抑制によって黒ずみを防ぐ。

3.骨格。これも年齢と共に緩んでくる。ところで最近は腰の曲がったおばあさんを見なくなった。なぜだろう?最近のおばあさんは皆シャキっとして背筋が伸びている。一説によると、これは最近は食事gは良くなったためであると言われている。中でも重要なのは蛋白質。これは骨を作るコラーゲンの原料になるのだ。カルシウムは人体の内部でそれほど不足はしないのだが、蛋白質は昔の食生活では不足しがちだ。すると骨粗しょう症が悪化しやすく、骨が変形してしまう。

齢をとっても良い姿勢を保つには肉・魚・大豆・乳製品などの蛋白質を充分に摂取しなくてはならない。

(文 窪田 敏之)

2010年2月24日水曜日

桃には不老長寿のパワーが?

季節外れで申し訳ないが、には特別なアンチエイジング力があるようだ。中国では「桃源郷」などという言葉があり、これは理想的な都市の事を指している。昔から桃は仙人の食べ物と言われ不老長寿につながるとされていた。

現代の食品科学で考えると、これもあながち間違いではない。というのも桃にはポリフェノールの一種であるカテキンというの抗酸化物質が大量に含まれている。これは体内のならず者過酸化物を中和し、血管の内面を保護したり遺伝子を傷つけて発ガンしたりするのを食い止める。

さらには桃には食物繊維が大量に含まれており、先日のリンゴと同様体内の有毒な重金属等を吸着して対外に排出する。つまりデトックスパワーも強い。

桃はビタミンなどはそれほど豊富には含まれていないので、ちょっと過去の栄養学で言われていた「三大栄養素」で評価するとあまり大したことがないのだ。しかし抗酸化力と食物繊維という現代の尺度で見た場合には非常に優れた食品なので大いに楽しんだほうが良いという事になる。

この事実を分析機器もない大昔に既に直感的に理解していた中国の先達達の眼力は伊達ではない。

次の季節にはぜひご賞味ください。

(文:窪田 敏之)

2010年2月16日火曜日

伝統食のススメ

各国にその国の伝統と文化を反映する「伝統食」というものがある。伝統食は長い歴史の中で民族の叡智を集めて工夫を凝らしたものだ。味が良いだけではなく、栄養学的にも優れたものが多い。だが注意するべきは、その「料理」だけを取り出してもダメな事もある。伝統食はその周辺の飲み物や食べ物、食べ方やスタイルも取り入れていったほうが良いようだ。

日本だけではなく世界の他の地域でも、概ね数100年以上の歴史のある地域には素晴らしい伝統食がある。エキゾチックなスタイルを楽しむ事もまた大切だ。

(文:窪田 敏之)

2010年1月21日木曜日

階段でアンチエイジング

体の調子を整えるのに「適度な運動」が良い事は知られている。でも忙しい現代人は、なかなか時間を取ってまで「運動」をするのが難しい時もある。

そんな時、ちょっとお役立ちなのが「階段」通勤やお出かけ等で行った先にエスカレータと階段の両方があるときには、できるだけ上り下りとも階段を使用する。エスカレータも空いている時には歩いて階段的に使用する。(他の通行人の迷惑にならないようにお願いしますね)

上り階段は実はかなり効果的。普通に歩くのと違って何倍もカロリーを消費する。端的にいって重力に逆らって自分の体を持ち上げているだから重力エネルギー×人体の運動効率プラスアルファぐらいのカロリーを消費するので、オススメ。ただ駆け上るのはよほど普段から運動をし慣れている人以外は危険なので避けて欲しい。というのも、2-3階を一気に駆け上った場合の運動負荷は非常に重く、急性の循環器障害(心臓麻痺など)を起こす可能性が否定できないからだ。ゆっくり上って欲しい。そうすれば安全だ。

ゆっくり上がって、少しだけ息が荒くなる程度が一番良い。呼吸器系・循環器系が程よく鍛えられ、血流も良くなり、カロリーも消費する。

下り階段はエネルギーを消費しないのでダイエットにはあまり役立たない。ところがこんどは足の骨の骨端を刺激する事によって関節の調子を整えたり、骨粗鬆症を軽減したりと、なかなか効用があるのだ。こちらも飛びおりたり駆け下りたりは危険なので、ゆっくり降りる。下り階段は勢いが良すぎると今度は関節に大きな力がかかって損傷する虞がある。

「徒歩」は賢者のスポーツとも言われ、アンチエイジングには最も優れていると思われるが、これに階段歩きを加えてみてはどうだろうか?一層効果的になるだろう。

(文:窪田 敏之)

2010年1月20日水曜日

食物繊維(その1) -りんご

第五の栄養素とも言われる食物繊維について少し調べてみた。「繊維」というと綿みたいな感じのものとか紙みたいな感じのものを思い浮かべるが、これらは不溶性食物繊維といわれている。人体に有用な繊維はこのほかに「水溶性食物繊維」もある。これはコンニャクやゼリーのような、水溶性だが消化できない物質だ。

食物繊維そのものは吸収できないのだから、当然ながら栄養価は期待できない。しかし食物繊維には血糖値を抑制したり、コレステロールの吸収を妨げたり、便通を良くしたり、癌の発生を抑えたりといった効果があるといわれており、「健康で長生き」のアンチエイジングには非常に重要だ。

この他水溶性食物繊維であるペクチンは有害な重金属元素を吸着して捨ててしまうといった効果もあり、極端な例ではリンゴからペクチンを抽出して濃縮した「ビタペクト2」という薬剤などがあって、これは食物繊維の働きで体内に入った有害な放射性物質(死の灰)を除去する薬剤だ。実際チェルノブイリの事故後、放射性物質が体内に入ってしまった被害者の治療に使用され、効果を上げている。

ヨーロッパでは「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」(イギリスの格言)といわれるほど、リンゴは体に良いといわれており、リンゴに含まれる食物繊維が少なからずその理由になっているものと考えられる。さらにリンゴには体内の化学反応を滑らかにするリンゴ酸や活性酸素を中和してしまう抗酸化物質も含まれている。

アンチエイジングとデトックスに一日一個のりんご、オススメだ。

(文: 窪田 敏之)

2010年1月19日火曜日

六大アンチエイジング栄養素

私が独断で選んだアンチエイジングに効く栄養素。古典的には三大栄養素は1.炭水化物、2.蛋白質、3.脂質だった。しかし栄養学や食品化学、医学の進歩によってアンチエイジングに効果のある物質群も明らかになってきた。詳細は別途項目ごとに検討してみようと思う。

1.抗酸化物質
2.食物繊維
3.オメガ脂肪酸
4.蛋白質
5.マルチミネラル・マルチビタミン
6.発酵食品

(文:窪田 敏之)

2010年1月4日月曜日

謹賀新年 2010

あけましておめでとうございます。さて昨年末に中国の友人蓋軍氏と電話で話していて「窪ちゃん、120歳クラブってのやろうと思うんだよね」

主旨は楽しくどちらかというと文化的な遊びを積極的に行って、健康的に暮らして120歳まで生き延びるというもので、なんとも能天気でのんびりしていると言えなくもありませんが、中国4000年の歴史を反映して真実を含んでいるようにも思います。

昔から「笑うかどには福来る」なんて言いますが、笑うような事が多いと体内の免疫系(特にNK細胞)が賦活して癌やその他の病気の進行を食い止めるとも言います。それにユーモアは脳の働きを活性化しボケを防止するといいます。

そんな訳ですから、昨今の厳しい経済事情なんかは問題である事は確かですが、まぁ時々は敢えてこれを忘れて大いに楽しみ笑う事が大切なのかもしれません。

今年も皆様に楽しい事がたくさんありますように。

(文:窪田 敏之)