2009年12月19日土曜日

楽しさと辛さ

アンチエイジングもそうだけど、勉強でも資格でもなんでも、人間ある程度「楽しみ」が無いと続けられないのも事実です。アンチエイジングで重要なのは、心と体の活力を保つ事。

実際、「楽しい事」があるとなんとなくウキウキして行動も積極的になりますし、気分も若返ります。すると当然ながら外見も若返るというものです。

一般に「体に良い」とされていることでも、辛い事や退屈な事、つまらない事は良く考えたほうが良いですね。そういう事の中にも多少は重要な事もあるとは思いますが(「良薬口に苦し」なんていいますね)、辛い事は自然に避けようとしている事でもありますので、良く考えて本当に必要なもののみにしたほうが良いのかもしれません。

それよりも「楽しい事」を中心に、またつまらないことでも「楽しく」やるように心がけるのもアンチエイジングのコツかもしれませんね。このブログでは「退屈」だけれども「体に良い」事があった場合には、それを「楽しく」やる方法も考えてゆきたいと思います。

(文:窪田 敏之)

2009年12月9日水曜日

油の秘密(その1)

油というと、ダイエットの敵とか「脂っこい」等と敬遠されがちだが、実は油は老化防止には非常に重要な役割があるようだ。実は人体の細胞の膜を構成している物質は大部分が脂質だ。その上3大栄養素の一つでもあり、実は油が無いと基本的な生命活動ができない。

さらに、必須アミノ酸のように後生動物である我々人類は体内では合成できず、食物として摂取しなくてはならない「必須脂肪酸」というのもある、というのが最近ハッキリと認識されてきた。

一口に脂質と言っても非常に多くの種類があるが、アンチエイジングの食で重要と思われるものは大きく分けて

1.飽和脂肪酸
2.不飽和脂肪酸
  2.1 一価不飽和脂肪酸
  2.2 ω3脂肪酸(おめが、と読む)
  2.3 ω6脂肪酸
3.トランス脂肪酸

あたりになるだろうか?

1と2とは概ねバランス良く同じ分量を摂取するのが良い、とされている。
また3は毒性があり、老化を促進するのでできるだけ食べないほうが良いようだ。

ここは受験生向けのウェブだが、脂質の分類と分子の形がわかりやすく説明されている。

多くの食べ物は複数の種類の脂肪酸を持っているので、これまで実際には必須脂肪酸がそれほど大きな問題になることは無かったようだ。だが、健康食品ブームなどで特定の食品ばかり食べるようになったり、地域的にそこの特産品ばかり食べていると必須脂肪酸の摂取量が問題になる。

脂肪酸のアンバランスは皮膚炎になりやすい、とか出血が止まりにくい、とか皺ができやすい、疲れやすい、など多くの問題を引き起こすといわれている。

上記の3つのカテゴリーの油はそれぞれ体内での働きが違うので、どれが欠けても問題になる。また多すぎるのも問題のようだ。

まず対応が一番簡単なのはトランス脂肪酸だろう。これは単にできるだけ摂取しないようにする事になる。これは天然には少ない物質で一部短い脂肪酸が反芻動物に2-5%含まれるのみのようだ。。硬化油といって、多価不飽和脂肪酸の二重結合部分に水素を添加して融点を上げてバターのように使えるようにしたものを製造しているわけだが、これを製造する場合に、一部二重結合がシス型からトランス型に転換して副産物となる。

硬化油はバターの代わりに安価に使用する。ショートニング・マーガリンがこれに相当する。現在主流の技術である、ニッケル触媒による水素添加ではトランス脂肪酸の発生を抑制できないし、これを強く除去しようとすると、かなり高価なものになってしまい、「安価で硬い油」というこれらの製品の意義が失われてしまうのだ。

トランス脂肪酸は、人間の体内の酵素系で綺麗に燃やせないので、中間性生物が酵素系を障害し「毒」として作用する。また油の仲間なので浸透性が高く細胞の最深部までしみこんで行くため、発がん性(遺伝毒性)もあるといわれている。

従って、単にアンチエイジングだけではなく、一般的に食べないほうが良い物質であるわけだ。現在我が国ではまだトランス脂肪酸は規制されていないようだが、ヨーロッパでは上限値が規制されている。

対策としてはマーガリン・ショートニングは使用しない事だ。替わりにバターやココアバター、ココナッツオイルなどを使用したほうが良い。また、売っている挙げ菓子やパンなどはショーニングやマーガリンを使用したものが多いので、後ろの材料表示を見て、これらが使用されていたら、できるだけ避けるべきだ。

他の摂取するべき油については次回以降で検討してみたい。

(文:窪田 敏之)