2014年2月5日水曜日

糖質制限食と中高年のアンチエイジング

下記facebookの記事に加筆しています。
https://www.facebook.com/quick.toshi/posts/806011292747452?stream_ref=10


ここ3週間ほど少糖ダイエットを敢行していたんだけれども、一応目標体重まで下がったし、ベルトの穴も一つ小さくなり、ある程度の成果も出て、色々体験して判ったので一旦休憩することにした。

生体の機能はあまり使わないと退化したりする。この場合糖質制御系(インスリン分泌力、糖取り込み能力)をあまりにも使わないで酵素活性が減ったり退行しても困るので。

色々考えるに、糖質制限の大御所、江部先生やニュースターの夏井先生はご自身が糖尿病系体質で、多少検査値が悪化した所で糖質制限で元に引き戻した人たち。しかも二人とも現役の名医だ。成人病を予防したり、あるいは一歩踏み込んで治療する、となると強力な糖質制御が必要になるだろう。

けれどもこれをダイエットに使ったり、まだ糖尿病傾向が出ていない人に適用したりするには、やや合わない面もあるように感じた。

現時点での中高年向きの健康的な食生活はこんな感じかな?

1.糖質は少なめ(プチ糖質制限)極端に減らさない。体重60kg換算で100gを切らないようにする。

2.総カロリーは必要量は摂取。不足分は魚・肉・卵などのたんぱく質が良い。脂肪分は減らさない。魚・動物・植物の脂肪を満遍なく食べる。繊維は多め。不意にお腹が空いてしまったら繊維質の間食にする。食品成分表のカロリー計算は糖質もたんぱく質も1gあたり4.3カロリーになっている。しかし実際には糖質は100%利用できるがたんぱく質は消化するのに30%程度のエネルギーを使うので70%しか利用できない。このためたんぱく質は多少多めに食べても問題は少ない。
3.酒は飲みすぎない。酒を飲みすぎてしまった時にはビタミンB1とC、それに糖質をある程度食べておいたほうが無難。そうしないと脳神経の細胞がダメージを受けるという説がある。

4.タバコはのまない。


5.コーヒーとお茶は飲む。その他赤ワインやポリフェノールを含む野菜や果物も良い。これらは抗酸化力が強く老化を促進する体内の過酸化物を中和する。


6.月一回程度の断食、あるいは半日断食は意外に体に良いかも。断食が長いのとか多いのは良くない。これは体内の代謝経路の変動に対応する訓練のようなものだ。

7.水分は多め、塩分控えめ(ただし必要量は確保。塩分が少なすぎるのは危険)
8.いろいろなものを満遍なく食べる。偏るのは良くない。
9.忙しくて食生活が偏ったらマルチビタミン・マルチミネラル(全部入り)のサプリを少しだけ食べる。これは亜鉛・鉄・クロム・セレンなどの微笑ミネラルの不足を避けるため。
10.BMIは25以下であれば良い。あまり痩せるのは良くない。たとえば身長170cmであれば72kg以下であればOK。統計的には体重が真ん中よりも少し多めのほうが寿命が長いといわれている。
11.時々2週間~1ヵ月程度、糖質を強く制限した食事をしてみたり(徐々に強くする)糖質を制限しないで多めにたべたりする期間を設ける。これによって全ての代謝酵素系を満遍なく賦活する。
(文:窪田 敏之)

2010年10月13日水曜日

体に良い食事法 (その1)

なにかしら「体に良い食べ物」があって、そればかり食べていれば健康で長生き・・・・実はそんな上手い話は無いようです。人間の体は複雑精妙にできており、非常に様々な物質を必要とします。また多すぎるのも少なすぎるのも良くないようです。特に多すぎる場合には捨ててしまったり、体内で分子を再構成したりして再利用できる場合もありますが、少なすぎるのはかなり問題です。

このような「人体の事情」を考えると、最も優れた食べ方は「色々なものを少しづつ食べる」という事になるのでしょう。

しかし忙しい現在人はどうしても食事が偏り勝ちであることは否めません。また食品の中にも「良いもの」「悪いもの」がありますし、「多すぎるとだめなもの」「少なすぎてもだめなもの」など等色々あるようです。

そこで普段の自分の食生活を見直してチューニングするというのも有効な手段でしょう。こういう事情を古の中国の賢人達は「医食同源」といい健康で長寿になるためには非常に大切だと考えられてきました。

実際注意深く周囲の人々や他の国々の食生活・食習慣とその国や地域に蔓延している問題や病気などを観察すると、様々なヒントがあることが判ります。

さて私が実践している食生活をいくつか列挙してみましょう。

1.総カロリーを運動量を考えて調整する
2.なるべく色々なお料理を食べる
3.エスニック料理にもどんどん挑戦し、色々な国のお料理を楽しむ
4.お酒はワインを中心にホドホドに。
5.野菜多め、動物脂肪、卵類少なめ、青身魚多め
6.お茶はコーヒー・ウーロン茶・日本茶・紅茶等の中から数種類を一日2杯以上飲む。同じものが続かないようにする。
7.お昼などオニギリやサンドイッチで済ませる場合には野菜ジュースを飲むようにする。
8.繊維質も多めに取る。
9.かならず三食規則正しくとる
10.夜10時過ぎはできるだけ食べない。お腹がすいてしまったら麦茶程度。
11.空腹になるのであまり夜更かしをしない。遅くとも午前1時頃には布団に入る。

と概ねはこんな感じです。しかしこの他にもいくつかのコツがあると思います。このあたりは追々。

(文:窪田敏之)

2010年7月13日火曜日

老化を食い止める物質ラパマインシン

ラパマイシンという薬剤があって、免疫抑制剤として使用されている。
通常はこの薬剤は臓器移植の時に一時的に免疫を抑えるのに使われるものだ。

ところが、この薬剤にはどうも癌細胞の抑制効果があり、さらには個体の寿命を延ばす効果もあるらしい。マウスの実験ではマウスの平均寿命が三割前後、最高寿命が14%伸びた。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ラパマイシン

免疫抑制作用が強いので、健康な人間が無闇に服用するわけには行かないが、免疫・増殖(がん)・寿命といった多細胞生物の根幹に影響を与える薬剤である事が判る。

このような物質の働きを詳しく調べて行くと、生命の秘密に対して深く理解が進むに違いない。

(文:窪田 敏之)

2010年4月20日火曜日

カッコイイ年寄りになるには(その1)

まず外見

1.歯。私は歯科医なので歯は一番気になる所だ。現代の歯科の技術では、一番優れているのはインプラントだ。歯茎の痩せ方が激しい場合にはインプラント固定による義歯が一番美しい。また歯茎が残っている場合はインプラント上にジルコニアによるクラウンブリッジを使用するのが美しく、かつバリバリなんでも噛める。

2. お肌。年齢と共にシミやソバカスのような色素沈着、皺も増えてゆく。まず色素沈着に関してはピーリングや皮膚科によるレーザー照射による除去がある。これはそれほど高価ではない割には効果が高い。皺に関してはビタミンAの補強やコラゲンの補強(小さな注射等で追加する)がある。こちらは美容整形になる。ビタミンは皆重要だが、中でもお肌にはビタミンA、E、Cの3種類が重要だ。ビタミンAは上皮の角化を促進して艶のある強い肌にする。Eは老化防止、Cは色素細胞の抑制によって黒ずみを防ぐ。

3.骨格。これも年齢と共に緩んでくる。ところで最近は腰の曲がったおばあさんを見なくなった。なぜだろう?最近のおばあさんは皆シャキっとして背筋が伸びている。一説によると、これは最近は食事gは良くなったためであると言われている。中でも重要なのは蛋白質。これは骨を作るコラーゲンの原料になるのだ。カルシウムは人体の内部でそれほど不足はしないのだが、蛋白質は昔の食生活では不足しがちだ。すると骨粗しょう症が悪化しやすく、骨が変形してしまう。

齢をとっても良い姿勢を保つには肉・魚・大豆・乳製品などの蛋白質を充分に摂取しなくてはならない。

(文 窪田 敏之)

2010年2月24日水曜日

桃には不老長寿のパワーが?

季節外れで申し訳ないが、には特別なアンチエイジング力があるようだ。中国では「桃源郷」などという言葉があり、これは理想的な都市の事を指している。昔から桃は仙人の食べ物と言われ不老長寿につながるとされていた。

現代の食品科学で考えると、これもあながち間違いではない。というのも桃にはポリフェノールの一種であるカテキンというの抗酸化物質が大量に含まれている。これは体内のならず者過酸化物を中和し、血管の内面を保護したり遺伝子を傷つけて発ガンしたりするのを食い止める。

さらには桃には食物繊維が大量に含まれており、先日のリンゴと同様体内の有毒な重金属等を吸着して対外に排出する。つまりデトックスパワーも強い。

桃はビタミンなどはそれほど豊富には含まれていないので、ちょっと過去の栄養学で言われていた「三大栄養素」で評価するとあまり大したことがないのだ。しかし抗酸化力と食物繊維という現代の尺度で見た場合には非常に優れた食品なので大いに楽しんだほうが良いという事になる。

この事実を分析機器もない大昔に既に直感的に理解していた中国の先達達の眼力は伊達ではない。

次の季節にはぜひご賞味ください。

(文:窪田 敏之)

2010年2月16日火曜日

伝統食のススメ

各国にその国の伝統と文化を反映する「伝統食」というものがある。伝統食は長い歴史の中で民族の叡智を集めて工夫を凝らしたものだ。味が良いだけではなく、栄養学的にも優れたものが多い。だが注意するべきは、その「料理」だけを取り出してもダメな事もある。伝統食はその周辺の飲み物や食べ物、食べ方やスタイルも取り入れていったほうが良いようだ。

日本だけではなく世界の他の地域でも、概ね数100年以上の歴史のある地域には素晴らしい伝統食がある。エキゾチックなスタイルを楽しむ事もまた大切だ。

(文:窪田 敏之)

2010年1月21日木曜日

階段でアンチエイジング

体の調子を整えるのに「適度な運動」が良い事は知られている。でも忙しい現代人は、なかなか時間を取ってまで「運動」をするのが難しい時もある。

そんな時、ちょっとお役立ちなのが「階段」通勤やお出かけ等で行った先にエスカレータと階段の両方があるときには、できるだけ上り下りとも階段を使用する。エスカレータも空いている時には歩いて階段的に使用する。(他の通行人の迷惑にならないようにお願いしますね)

上り階段は実はかなり効果的。普通に歩くのと違って何倍もカロリーを消費する。端的にいって重力に逆らって自分の体を持ち上げているだから重力エネルギー×人体の運動効率プラスアルファぐらいのカロリーを消費するので、オススメ。ただ駆け上るのはよほど普段から運動をし慣れている人以外は危険なので避けて欲しい。というのも、2-3階を一気に駆け上った場合の運動負荷は非常に重く、急性の循環器障害(心臓麻痺など)を起こす可能性が否定できないからだ。ゆっくり上って欲しい。そうすれば安全だ。

ゆっくり上がって、少しだけ息が荒くなる程度が一番良い。呼吸器系・循環器系が程よく鍛えられ、血流も良くなり、カロリーも消費する。

下り階段はエネルギーを消費しないのでダイエットにはあまり役立たない。ところがこんどは足の骨の骨端を刺激する事によって関節の調子を整えたり、骨粗鬆症を軽減したりと、なかなか効用があるのだ。こちらも飛びおりたり駆け下りたりは危険なので、ゆっくり降りる。下り階段は勢いが良すぎると今度は関節に大きな力がかかって損傷する虞がある。

「徒歩」は賢者のスポーツとも言われ、アンチエイジングには最も優れていると思われるが、これに階段歩きを加えてみてはどうだろうか?一層効果的になるだろう。

(文:窪田 敏之)